気づいたら涙が出ていた。

初めて、本当の自分を認められた。そんな気がした。

嫌われない様に自分を偽ってきた八年。

ずっと心のどっかで苦しかった。

ありがとう、千聖。

「…ねえ、気づいた?」

静かに聞く。

「そっちこそ。」

「え?」

「縦で読めよ。」

言われるがまま、千聖からのメッセージを見る。


「お前が好きだ」

千聖が、そう言う。


「あなたが、好き」


窓から身を乗り出した二人は、静かに抱き合った。