恋だった。 私はそこで初めて気がついた。 先生に、恋なんてバカバカしい。 初めはそう思っていた。 貴方と話したあの日。 階段でつまづいて、膝を打った日。 貴方はちょうどその時通りかかった。 貴方は私に救急箱を持ってきてくれた。 少し擦りむいた傷に当てた消毒がしみて痛い。 その日から貴方は、私の心を癒してくれる、あの日の、私にとっての消毒液だった。 でも、消毒液の貴方は、私を癒す度に痛みも与えていた。 酷いよ。先生。