私とお母さんが目を覚ました翌日。

春くんは、文化祭に出かけた。


夕方になると、病室に来てくれて、たっくさん思い出話を聞かせてもらった。


夕方から夜にかけては、ダンスや劇の発表があるはずなのに。

それをすっ飛ばして私のところに来てくれた春くん。


どうしよう。

ますます、好きになっちゃうよ……//







「そう言えばさ、春くん。」

「明菜、春希って呼んでよ。昨日みたいに。」

「えっあっ……、うん。じゃあ改めて。そう言えばさ、春希。」

「なぁに? 」


「昨日、ちゅっ て音がして目が覚めたんだけど、あの音って何だったの? 」

「えっ! あーーえっと……、その……。鳥の鳴き声じゃね? 」

「…………、そっか〜〜。」



ねぇ、春希。私、ホントは知ってるよ。

あの時春希が、私のおでこにキスをしたこと。

あれが私のファーストキスだったんだよ。



だからね、春希。

これは仕返し。




「春希、こっち来て? 」

「ん? 何? 」

「顔、よーく見せて? 」

「えっちょっーーーー…





ちゅっ








ーーこれは二人のファーストキスと、お互いの口と口にした、初めてのキスの物語。