ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

放心状態のファビオラを再び抱き抱えたマスクウェルは会場に戻る。
珍しく柔らかい表情でファビオラを見ているマスクウェルの姿に会場は静まり返っていく。
トレイヴォンも心配そうにこちらを見ている。
そんなトレイヴォンに手を振ろうとするが、マスクウェルは微笑みながら、ファビオラのスッと手を下ろされてしまった。


「婚約者の前で他の男に手を振らないでくれ」

「あっ、あっ、え……?」


ファビオラはどこか吹っ切った様子のマスクウェルに押されっぱなしである。
顔が茹蛸のように真っ赤になっている。

(どうしてこうなった……?)

ファビオラはカチカチに固まっていた。
その後もマスクウェルとの距離は縮まっていく。
スッと顎を掴まれて、叫び出しそうになるのを堪えていた。


「……ファビオラ」


近づく唇……ファビオラは思った。
今、マスクウェルとキスをしたら白目を剥いて気絶する自信がある。


「───ッッッ!?!?」


考え込んでいるとマスクウェルの柔らかい唇が触れる。
間近にある琥珀色の瞳を見つめたまま、ファビオラはマスクウェルの腕の中で気を失ったのだった。








end


短編から中編予定ということで中途半端ではありますが、ここで終わりとなります(´;ω;`)申し訳ございません!

ここまで読んでくれた皆様、本当にありがとうございました。