「そのシナリオを君は信じているからこんな風に思い込んでいるのか?僕はそんなものに振り回されていたってこと?」
「でもマスクウェル殿下は……っ、学園でアリス様と再会して恋に落ちるんです!」
「そんな不確定要素は信じないよ。それにアリスを好きになるなんてありえない」
「学園に入ってわからないじゃありませんか!」
「トレイヴォンだってならなかったろう?」
「それは……そうですけれど」
「はぁ…………」
ファビオラが人差し指を合わせながらツンツンしているとマスクウェルは額を押さえながら深いため息を吐いている。
オロオロしているファビオラはハッとして顔を上げる。
それに気のせいでなければ先程、マスクウェルに『僕を選んでよ』と言われたのではなかっただろうか?
(も、もしかしてマスクウェル殿下はわたくしのことを好いてくれていたの!?)
右往左往するファビオラとは違い、肩を落として何かを考え込んでいるマスクウェル。
彼が顔を上げたのと同時に、肩を揺らした。
「君の言い分はわかった」
「信じてくれるのですか!?」
「ああ。要は学園に通って僕の気持ちが変わらなければ、君は安心して僕との関係を考えてくれるのかな」
「……そ、そうなんですか?」
「そうだよ」



