ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

(マスクウェルside)


グッと手を握ったマスクウェルは悔しさを噛み締めていた。

(あとどのくらい努力すれば、ファビオラを手に入れられる?)

この半年、ファビオラのことばかり考えている自分がいた。
顔を合わせないと手紙をもらった時、どれだけショックを受けたかなどファビオラは知らないはずだ。

最初は母の言うことに反発していた。

アリスとは恋愛感情はないが、婚約者として大切に思っていた。
ファビオラ・ブラックの噂は知っていた。
傍若無人でわがままばかり言って、散財しては威張り散らしている。
実際にパーティーで偉そうに踏ん反り返っていた姿を思い出す。
貴族としての気品もなく、ブラック伯爵家で働く者たちをいじめて楽しんでいる。
そう聞いていたため、悪いイメージしかなかった。

しかしファビオラとの顔合わせで彼女の雰囲気は大きく違っていることに気づく。

自分を貶める罠かと思ったが、どうも違う。
二度目では派手な容姿になっていたが、明らかに無理をしているように見える。
拒否しても嬉しそうにしている彼女に我慢ができずに本音が漏れ出てしまう。

元々、あまり人の機嫌を窺えるような人間ではなかったマスクウェルだったが、ファビオラはその態度すらいいという。