ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜


髪留めを買い終わりファビオラが振り返ると、トレイヴォンが何かを考えながらボーっとしているのが見えた。
その周辺には女性達がトレイヴォンに話しかけようと頬を染めて彼を見ていた。

(やっぱりレイはモテるのね……)

何故かトレイヴォンは髪を伸ばすようになっていった。
これも原作と違う部分だが、彼の髪はとても美しい。
伸びてきた髪を留めるのにトレイヴォンはシンプルな紐を使っている。
ファビオラは代わりになるようなシンプルな黒い石の飾りがついた銀色の髪紐を買ったのだ。


「レイ、お待たせ」

「……おかえり、ビオラ」

「これ、受け取って」

「ビオラがつけてくれ」

「えぇ、いいわよ。エマ、荷物を持っていて」

「かしこまりました」


ファビオラはトレイヴォンの髪を結っていた。


「うん、よく似合ってるわ」

「ありがとう、ビオラ。大切にする」


笑いあう二人を見ていた人影。
ライトゴールドの髪がサラリと風に流れていく。
ファビオラはそんな人影に気づくことはなかった。

ドレスに合う髪飾りとピアスを買い終えて、ファビオラは楽しい気分で屋敷へと戻る。
トレイヴォンも機嫌がよくなったようで、無表情でも楽しげに見えた。