ファビオラになる前は、喪女のまま仕事に忙殺されて、いつの間にか朽ち果てた。
そしてファビオラになってこんなに可愛い容姿とお金を手に入れたのだから、自分だけを愛してくれる素敵な男性と結婚して、愛に溢れた家庭を築くぞと意気込んでいたのにも関わらず……マスクウェルに一目惚れ。
そして今日はマスクウェルとの二回目の顔合わせで、エマに準備をしてもらっていた。
婚約者になることを了承してしまったことを撤回してもらおうとも考えたが、心がそれを拒んでいる。
(で、でも……マスクウェル殿下が顔が良すぎるのがいけないんだし、わたくしはちゃんと身を引く予定でいるもの!これもマスクウェル殿下がアリス様が幸せになるために必要な儀式なようなものよ!うん、そうに違いないわ。ここでわたくしが婚約者にならなかったら物語が変わっちゃうもの!それはだめよね?)
そんな言い訳を繰り返していたが、気持ちには抗えなかった。
こうして悪役令嬢ファビオラ・ブラックに転生したアラサー女は………第二の人生を諦めることとなり、不幸にもストーリー通りに『ざまぁ』への階段を駆け上がることとなるのでした。
「………めでたし、めでたし」
「ファビオラお嬢様、くだらないことばかり言うのはやめてくださいませ」
そしてファビオラになってこんなに可愛い容姿とお金を手に入れたのだから、自分だけを愛してくれる素敵な男性と結婚して、愛に溢れた家庭を築くぞと意気込んでいたのにも関わらず……マスクウェルに一目惚れ。
そして今日はマスクウェルとの二回目の顔合わせで、エマに準備をしてもらっていた。
婚約者になることを了承してしまったことを撤回してもらおうとも考えたが、心がそれを拒んでいる。
(で、でも……マスクウェル殿下が顔が良すぎるのがいけないんだし、わたくしはちゃんと身を引く予定でいるもの!これもマスクウェル殿下がアリス様が幸せになるために必要な儀式なようなものよ!うん、そうに違いないわ。ここでわたくしが婚約者にならなかったら物語が変わっちゃうもの!それはだめよね?)
そんな言い訳を繰り返していたが、気持ちには抗えなかった。
こうして悪役令嬢ファビオラ・ブラックに転生したアラサー女は………第二の人生を諦めることとなり、不幸にもストーリー通りに『ざまぁ』への階段を駆け上がることとなるのでした。
「………めでたし、めでたし」
「ファビオラお嬢様、くだらないことばかり言うのはやめてくださいませ」



