ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

───パシンッ!


容赦なく飛ぶエマからの喝と頬を摘まれてしまう。


「あたたっ……!」

「やり直し」

「……はぁい」


そんな毎日を繰り返していると、徐々にマスクウェルに対する耐性がついてくる。
紙のマクスウェルには大分慣れてきた。
それから再び瞑想に滝行と精神を鍛え上げて、いつも表情が微動だにしないエマに表情を変えないコツを教わる。

約束のパーティーと学園の入学を一ヶ月前に控えたある日のこと。
ブラック伯爵邸に大きな箱が家に届く。
それはファビオラ宛で、誰からの荷物かというと……。


「見て、見てみてっ!エマ、見てよ!見てみてッ」

「見ています」

「マスクウェル殿下からわたくしにって、ドレスが届いたのっ!信じられないわ!こ、これはパーティーにきていいってことよね?」

「はい、そうでしょうね」

「どうしようどうしよう……!嬉しすぎて鼻水がっ」

「……。合わせてみましょうか」

「そ、そうねっ!」