ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

「……!?」

「でもね、正直なところ……こうしてマスクウェル殿下と過ごすとどんどん欲張りになっていくの。こんなわたくしじゃマクスウェル殿下に嫌われちゃうわ……!ねぇ、エマ。さっきからわたくしの話を聞いてる?怒ってるなら機嫌直してよ。わたくしはエマの幸せも勿論、願ってるし……そういえばこの間、縁談がきたって言っていたけど、やっぱりわたくしは受けるべきだと思うの!」


ノックの音が聞こえて、バタンと扉が開く音と共にファビオラは
体を起こす。
ワゴンを引いたエマがこちらににやって来る姿が見えた。
それと同時に紅茶の良い香りが立ち込める。
ここでファビオラが何かが違うことに気づく。

(あれ……?何でワゴンを引いたエマが扉からやってくるの?)

エマから「ファビオラお嬢様、目が覚めたのですね」と冷静な言葉が聞こえた。
エマが今、扉から入ってきたというのなら今、誰と話していたのだろうか。

(き、気のせいよ……!たまたまカタンって音がして、わたくしが勝手に一人で喋っていただけよ!そ、そうでしょう!?誰かそうだと言って)

冷や汗がタラリと流れていく。
ギギギッと首をゆっくりと動かすと、ベッドの横に座っている人物を見て思いきり目を見開いた。