「…………」
「…………」
長い沈黙が流れて、紅茶を飲もうとするが先程の出来事があったので中身を凝視してから口をつけた。
温かい紅茶と程よい甘味にホッと息を吐き出した。
「はぁ、美味しい」
「…………砂糖」
「???」
前から声が掛かり顔を上げると、優しげに笑うマスクウェルの表情を見て目を見開いた。
───そして
「入れ過ぎだよ?」
「──ッ!?」
破壊力抜群のマスクウェルの笑みを見て見事に心臓を打ち抜かれて、ファビオラは後ろにひっくり返る。
今度は紅茶を顔に被ってしまい、エマの驚く表情(二回目)を見て、マスクウェルに何度も名前を呼ばれながら意識を手放したのだった。
* * *
(あれ……ここは?)
ファビオラ目を覚ますと、見覚えのある天蓋付きベッドに花柄のカバーが目に入る。
あのまま気絶してしまい、自分の部屋に戻ってきたのだろう。
横からカタンと音が聞こえた。
恐らくエマだろうと、色と怒られる前に言い訳をしようといつもの調子で口を開いた。
「エマ、今日は迷惑掛けてごめんなさい……!でもねっ、でもね!きょはわたくしにマスクウェル殿下がはじめて笑い掛けてくれたの~!これは………こんなことはじめてじゃないかしら。好きな人の笑顔で気絶する日がくるなんて、わたくし吃驚だわ」
「…………」



