ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

会う頻度は婚約してからは月に一度だったのに、それがいつの間にか三週間に一度、二週間に一度となり、そして今は一週間に一回はマスクウェルの顔面を拝めるというご褒美タイムがやってくる。

何年経っても飽きることはなく、例えるなら噛めば噛むほど味が出るスルメのようなマスクウェルの魅力にどっぷりと浸かっていた。
普通なら何年も過ごしていると、ここが嫌だなぁとか苦手だなぁという部分が出てきてもいいはずなのに、彼に関しては顔面は勿論のこと、ツンとした態度も超塩対応も全て好き過ぎて堪らないのである。

このどうしようもない気持ちは乙女ゲームのファビオラと同じものかもしれないと最近、そう思っている。
今なら『ファビオラ』の気持ちがよくわかるような気がした。

けれど原作のファビオラとは違うのは、ド派手な格好をしておらずマスクウェルが可愛いと言ってくれた清楚な格好を心がけて、マスクウェルを困らせるような我儘も一度も言ってないし、マスクウェルに付き纏っていない。
彼から連絡が来るまで待ち続けるという完全に受身スタイルとなっている。

何より女王様になるのは無理だと気づいたし、男性経験も皆無。
今後の自分のためにもいい人になったほうがいいと思った。

(神様、わたくしには悪役令嬢は無理でした……!ですがその分までしっかりマスクウェルを幸せに導いていきますので、どうぞ最後までよろしくお願いします!)