ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

(期待しても無駄なのに……わたくしったらバカね)

ファビオラが考え込んでいる間、マスクウェルが頬を赤く染めていたとも知らずに、大きなすれ違いが起こっていた。

年々、顔まわりのキラキラとした輝きが増しているマスクウェル。
ライトゴールドと赤いメッシュ髪は原作とは違い伸ばすことはなく、前髪はセンターわけにしているせいか知的に見える。

その理由はファビオラがマスクウェルを『可愛い』と言いすぎていたため、前髪を伸ばして大人っぽくみせていることに全く気づかずに、本人はどんな姿も美しいと、その神々しさに感動している。
琥珀色の瞳に見つめられると涎が口端から溢れるし、まつ毛は人形のように長くてずっと見ていられる。
洗練された仕草は惚れ惚れとしてしまう。
紅茶を飲む時に薄い唇がカップに触れるたびに悶えている。

ファビオラは今日のマスクウェルの姿わ、目に焼きつけながらも無意識に熱々の紅茶に砂糖を何個も何個も溶かしながら思っていた。
成長してもマクスウェルの美しさは年々増すばかり。

(はぁ……顔面国宝。こんな日々を週に一回も過ごせるなんて、わたくしはどうしてこんなに幸せなのかしら)