ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜


トレイヴォンに落ち着くように言われて、婚約までの流れを説明する。
彼は目を閉じながらファビオラの話を最後まで聞いていたが、瞼を開いてこう問いかけた。


「本当にアリスはマスクウェル殿下を選ぶのか?」

「そ……そう言われると困りますわ。学園に行かなければわからないんですもの」

「そんな不確定なものに振り回される必要があるのか?」

「とは言いましても、わたくしはトレイヴォン様に殺されたくはありませんし」

「いや……こうして話している時点でありえないだろう」

「アリス様のためならやらないとは限りませんわ!」

「頑なだな」

「当たり前です!わたくしの命がかかっているんですもの」


トレイヴォンには、すでに自分が転生者のファビオラで、乙女ゲームの内容を話していた。
普通ならばドン引きしてしまう内容ではあるが、トレイヴォンはファビオラの話に真剣に耳を傾けてくれる優しくて心が広い男である。

元々、攻略対象者の中でも一番の強面で一番人気のなかったトレイヴォンだが、あまりの男らしさと頼もしさに感動でしかない。
今のトレイヴォンは面倒見がいいお兄さんといった感じだ。

(つまりは圧倒的にイケメンの兄貴枠……)