「ウフフ……」
「………君、変だよ」
「はい、ありがとうございますっ!」
「…………」
こんな調子で会話を続けていた。
そしてマスクウェルは何故かブラック邸に来た時よりも、げんなりとしながら帰って行く。
ファビオラは目に焼きつけた色んな表情のマスクウェルを思い出してはエマに話していた。
「でね、わたくしのこと〝変だよ〟〝意味わかんない〟って言ったのよ!その時の言い方も顔もすごく可愛かったのよ……!もうそれだけでパサパサなあの不味いパンを三個食べられるくらいなの~」
「………」
「それにね!わたくしを見るあの蔑むような目が……っ」
「ファビオラお嬢様」
「あらエマ、珍しいわね!マスクウェル殿下について何か質問が?」
「いいえ。目を覚ましてくださいと言おうとしただけです」
「覚めているわよ?」
「ファビオラお嬢様は何を考えているのですか?」
「え……?だから、マスクウェル殿下が可愛いなって話でしょう?」
「…………」
エマのドン引きしている表情を気にすることなく、ファビオラは話を続けていた。
父と母に何も喋らないようにと口を塞ぐことも忘れなかったが、エマはツーンとして顔を背けたのだった。



