ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

「一度で二度美味しい……これが噂のハイブリッド」

「は……?」

「フフッ、何でもありませんわ」


ファビオラはニヤけるのを必死で押さえていた。
実際にはファビオラはこの姿を見て「なんて嫌な奴!」と思うのだが、それが今まで宝物のような扱いをされていたファビオラにとっては新鮮に見えたのだろう。
その積み重ねで、どんどんとマスクウェルに惚れ込むわけだが今回はまた違った目線の『可愛い』である。

表向きのマスクウェルと本当のマスクウェルのギャップに悶えていた。
ゲームでは成長していくにつれてマスクウェルのファビオラに対しての塩対応は強くなっていき、ファビオラはそんな対応をするマスクウェルが気になってどんどんとマスクウェル沼にハマっていく。

マスクウェルを絶対に振り向かせたかったファビオラはあの手この手を尽くすものの、なかなかうまくいかない。
これが人生初めての挫折となる。
ファビオラはストレスを発散するように周囲への当たりも激しくなっていき、自身の評判をさらに落としていくことになる。

そして断罪される時に「あなたに振り向いて欲しかった……ただそれだけだったのに」という寂しい台詞を残して去って行くのである。
クネクネしながら回想していると、マスクウェルは奇怪そうに目を細めた。