ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

そんな三人の様子を見て、マスクウェルは貼りつけた笑みを浮かべている。
マスクウェルはファビオラに気に入られていなければならない。
前もってファビオラの噂を聞いているマスクウェルにとっては予想外の出来事なのだろう。
しかし瞳の奥、明らかに軽蔑した視線が向けられていたことに気づいていた。
突如として焦り出しているファビオラを見た父と母は目を丸くする。


「きっとマスクウェル殿下の前で緊張しているのだろうな」

「マスクウェルが天使みたいで可愛すぎるって、ファビオラったらもうあなたに惚れ込んでいて……「──ストップ!お母様ストップですわ」

「……?」

「何でそのことを知ってるんですか!?」

「エマから聞いたのよ?」

「ぐっ……!」

「まぁまぁ、いいじゃない。ビオラちゃんが変わったきっかけは恋だもの!幸せになって欲しいわ」


マスクウェルはその話を聞いて大きな目を見開いてキョトンとしている。
その後にニコリと困ったように微笑んだマスクウェルに母と二人で心臓を撃ち抜かれていた。

(……か、可愛いっ)


「これだけ美しい殿下ですもの……!ビオラちゃんの気持ちがわかるわぁ」

「も、もうっ、邪魔しないでくださいませ」

「フフッ、そうね」

「マスクウェル殿下、あちらに行きましょう!」

「はい、わかりました。ファビオラ様、お手を」

「…………え!?」