ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

父と母は娘の成長を喜んでいるが、今はそれどころではない。
転生した直後から両親はファビオラに対して過保護で過干渉である。
全てを許してファビオラの思い通りにさせることが、彼女の性格を歪めてしまう原因になってしまうのだ。
何をしてもお金で解決できるし、許されてしまう。
ファビオラは怒られたこともないし、注意を受けたこともない。
世界の全てがファビオラを中心に回っている。そう考えてしまうには十分だろう。
それは貴族社会の伝統を壊してしまうほどに強力なものだった。

ファビオラは力で押さえつけさえすればいいと覚えた。
歪んだ考えはファビオラを形成していく。

それがコロリといい子の優等生になってしまえば医者を呼びたくなる気持もわかる。
マスクウェルと出会う前に、マナーを学んでいなかったファビオラは、ある人物通りに急いで講師を大量に呼んで貴族のマナーを会得していた。
全ては断罪回避のため……その必死さはマスクウェルの顔合わせ前に合格をもらえるほどだ。

両親はファビオラがいい方向に向かったことを喜んでいるが、ブラック伯爵邸で働く者達は、ファビオラが何かを企んでいるのではないかと、様子見といったところだ。
追い出した侍女達にはどうすることもできずに申し訳ない気持ちだったが、今から罪滅ぼしをするかのように優しさを配っていた。