ふしぎの国の悪役令嬢はざまぁされたって構わない!〜超塩対応だった婚約者が溺愛してくるなんて聞いていませんけど!〜

マスクウェルは清楚なタイプが好きではあることは、事前の知識から把握している。
乙女ゲームにはアリスを攻略対象者好みに着せ替えて好感度を上げていく要素もあったからだ。

しかしここはマスクウェルの幸せのために、悪役令嬢になると決めたからには、家族には迷惑をかけないように努力をしなければならない。

エマには今持っている中で一番豪華なドレスを用意してもらった。
高めのツインテールの巻髪、若干のドリル仕様で完璧なまでの乙女ゲームの『ファビオラ』の完成である。
鏡の前で意地悪そうな笑みの練習をしていると、エマに「本当にその格好でいくのですか?」「気持ち悪いのでやめてください」と止められてしまった。

ファビオラになってから一年間、派手な装いを封印していたためか、久しぶりにクローゼットの中から引っ張り出したド派手ドレスで気合い十分である。


「エマ聞いて……!たとえ困難が立ちはだかろうとも、後に引けないことがあるの」

「早く行かないとマスクウェル殿下がお待ちですよ」

「ど、どうしてそれを早く言わないのよっ!」

「ファビオラお嬢様が気持ちよく語ってらしたので」


エマの手を引いて、決戦の地へ。