*クモリガラス*


私は滝沢くんが描いたハートのもうひとまわり外側に、大きくハートを描いた。

もうあまりハッキリとは見えないけど、それでも指の跡は残ってて。



「待って待って。オレの方が気持ちでかいよ?」



そう言ってまた、そのさらに外側に滝沢くんがハートを描く。

それに負けないで、私は他の場所にすごく大きく『スキ』って書いて…



『オレも』って書いた滝沢くんと、顔を合わせながら二人で笑った。



その後も、教室の窓にはどんどん増えていくハートの形。



ねぇ、似てないと思ってたけど

全然違うんだと思ってたけど

私と滝沢くんて、おかしなくらいおんなじ。





「おぉ!なんか寒いと思ったら雪じゃん!」



ゆっくりと窓の方に顔を向ける。



暗くなった窓に映る私と滝沢くん。

その向こうには、可愛く水玉に飾られたたくさんの雪。



「あ…」


「すっげー…」



一層寒くなった外のせいで、また教室との間に温度差ができたのかな。

ううん、私と滝沢くんの温度?



「恋の魔法みたいだな」



二人の周りだけ、どんどん暖かくなって

透明だった窓は、また白く色をつけていった。



そしてそこには

また浮かび上がる『スキ』の文字。