*クモリガラス*



私の書いた『スキ』の文字の周りには、それを囲むようにハートの線が浮かび上がって。



「必死に息吹きかけて初めてこの文字見つけた時さ、誰にあてて書いてるのか分からないくせに、オレだったらなーとか期待もしてさ。けっこうバカだろ?」



照れるように視線を外に向けて話す滝沢くんに、またどんどん私の気持ちは膨らんでいった。

ホントに…?

ホントにそんなふうに想っててくれたの?



滝沢くん、すごく好き…




ずっと繋がり続けた指先のままで、二年の時の思い出話を聞かせてくれる滝沢くん。

私の隣の席に、一度だけなったことがあること。

体育祭で、私と一緒に残って作業をしたことがあること。



それはどれもが私と同じ思い出で。

当たり前だけど、それってなんだかすごくて。



「原田って大人しくて、うるさいオレらから見たらお嬢様みたいで。絶対オレなんかに近づいてもらえないだろうなって思ってた。
でも、一緒なクラスで楽しかったよ。同じ学校で、逢えて良かった」


「滝沢くん…」




ちゃんと存在してた、私と滝沢くんの中学二年の一年間。

そして三年になった今も、繋がってた想い。