*クモリガラス*



だってこれ…
直接言ってるみたいだもん。

本人は気づいてないけど、この言葉、文字の大きさ、込めた想い。

全部全部、滝沢くんに向けたもの。



「おー、これなら多分ばっちり見えんな!ってかオレすっげーお人好し」



そう言って机から降りようとする滝沢くんを見上げながら、私はまたぼーっとその姿を眺めてしまう。



「冷えたか?」



私が反対の手で冷えた指先をこすってると、滝沢くんがその指を自分の両手で包んだ。


えっ…!


びっくりして引き戻してしまった私に、滝沢くんはすぐに謝る。



「ごめん!」



そ、そうじゃなくて



「わーっ、泣くほどイヤか!」



ちがうよ、だから



もう、どうしよう…


すごくすごく…



『スキ』



胸がいっぱいで、とても声なんて出せなくて。

私はすぐ横にあった窓にそう書いた。