紋さんに向かって「姉ちゃん」と声をかけたのは菜々穂が通っている高校の学校1のイケメンと言われている九本(くもと)爽太郎(そうたろう)。
しかも私と同じクラス。
「おかえり、姉ちゃん」
「爽太郎、ただいま」
九本くんは私と同じクラスだとは知らないはずだと思いながらも彼と目が合ってしまった。
彼は私の顔を見ながら首を傾げる。
「それより、その女の子は誰?」
「この子、ヤンキーから私を助けてくれたのよ」
(あれ、紋さん、私の名前を伏せてくれてい話してくれている)
お姉さんがさっきの出来事を話したら九本くんは私に頭を下げた。
「姉ちゃんを助けてくれてありがとうございます」
私は首を横に振りながら「怪我なく助けられて良かったです」ということしかできなかった。

