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桜が散り風が吹いて葉緑はサラサラと揺れる。




高校3年生になった辻島(つじしま)菜々穂(ななほ)は学校が終わるとそのまま家に帰る。




そして私服に着替え家から徒歩20分の公園があるところまで散歩という見回りをしていた。





見回りの途中で公園の裏山へヤンキーたちが歩いているのを見つけた。




私は嫌な予感がして裏山まで走っていく。



すると学ランを着た他校のヤンキー6人が大人のお姉さんを囲んでいた。 



私はヤンキーたちに歩み寄りながら声をかける。



「ねぇ、ヤンキーが大人のお姉さんを囲むなんて変な趣味をしてるんだね」



菜々穂の声でヤンキー6人は一斉に後ろを振り向いた。



「お、見つけたぞ……アンヘルさまよぉ!」



「私を見つけたからって、関係ないお姉さんを巻き込まない方がいいよ」



「うっせーな!」



ヤンキー6人は菜々穂に向かって襲いかかってきた。




(まぁ、5分もあればいいか)




「お姉さん、その場からーー」



お姉さんは黙って私に頷いた。




私は驚きのあまり言葉をなくした。






助けを求めているお姉さんは元レディースの総長〝夜の魔女〟と呼ばれていた人。