君と一番の恋をする

「どうしよ……あ」



ブレザーのポケットを探ると、スマホがあった。
取り出そうとして、やめる。こんな雨じゃ、スマホが濡れて使えなくなる。



「……だめじゃん……連絡できないよ」


雨粒が大きくなり、制服は一瞬にして色が変わってしまった。
私はあきらめて座り込んだ。


「雨、タイミング悪いなあ……」


というか、こんなにピンポイントで雨が降る偶然なんてあるんだろうか。それに最近は、晴ればっかりだったのに。


……もしかして。
私は、嫌な予感が頭をよぎる。

……おかしいと思ったんだ。なんで今更、私と陸人くんの写真が広まったのかって。
もしかしたら、この雨の日を狙って私を屋上に呼び出したのかもしれない。晴れなら、閉じ込めたとしても簡単に出れてしまうから。
それなら、辻褄は合う……けど。



「……私、とんでもない大バカだよ」



後輩の女の子たちにやすやすとはめられて。美葉ちゃんにも、気をつけろって言われてたのに。それでいて、今まで何にも気が付かなかったなんて……。盗撮も、なにもかも。

ほんとに、嫌になってしまう。こんな自分が。


……だけど、「陸人くんは悪くない」って言えてよかった。嫌な思いをするのは、一人で十分。陸人くんには、うわさなんかに惑わされず笑っててほしいもん。