君と一番の恋をする

「ほんとに、二人ともごめんね。でも、ありがとう」


二人に頭を下げてお礼を言った。
二人が探してくれなかったら、本当に私たち、どうなってたかわからない。
もう、命の恩人といっても過言ではないくらいだ。

奏太くんが先にドアを開けてくれて、私たちは屋上から出る。
一年生の教室の前で別れるとき陸人くんが私に向かって巻き込んでしまったと謝ってくれたけど、そこまで気にしないでほしいことを伝え、私たちは教室に戻って荷物を取りに行った。


「じゃあ帰ろうか、と言いたいところだけど、俺は職員室に寄ってから帰るよ。二人とも気を付けて帰ってね」
「早瀬も、気を付けて帰りなさいよ!」


奈央ちゃんがそうあいさつしたので、私も何か言わなきゃと戸惑う。


「じゃあ、またね」
「うん」


ちょっと不自然になってしまった別れの言葉を告げると、奏太くんは頷いてくれた。
奏太くんに“またね”なんて言ったの、きっと小学生ぶり。
だけど、今の会話が私の中のどこかで決定打になっていた。

私が思う、奏太くんへの気持ち。気まずさとか、距離の測り方とか。
あんなに離れていたせいで話すことすら怖かったのに、今はちょっとだけ心が軽くなった気がするのだった。

一階で奏太くんと別れ、奈央ちゃんと二人で下駄箱に向かう。