君と一番の恋をする

「ううん。寒くないよ。私、寒さ耐性あるんだよね~」


と言って笑うと、陸人くんはへ〜と感情の読み取れないような表情を浮かべた。


「私、そんなに信用ない?」
「はい」


ふざけるように言ってみたけど、がっつり返事が返ってくる。

私、先輩……だよね?あれ、どうだっけ。


「大勢の人の前で楽器落としたり、バスケットボールを顔面で受け止めた挙句、ひょろひょろのボールを返すようなことするからですよ」


バ、バスケットボール?そんなの……あ。
でも、陸人くんはそのこと、知ってるはずないのに。
どう言おうかと考えていると、ふわりと肩に何かがかかった。

きゅっと引き寄せてみると、明るいクリーム色のカーディガンが目に入る。
びっくりして言葉が出ない。


「ほら、ちゃんとかけてくださいよ」
「あ、ご、ごめんね、ありがとう……」


それは、さっきまで陸人くんが着ていたもの。当然、ぬくもりが残っているわけで。
シャツを通して暖かさが伝わってくるみたいで、寒さが和らぐ。

……こんなこと、今までされたことないから。不覚にも、心臓がどきどきして。
まるで、さっきまでの元気がどっかに行ってしまったみたいだ。