君と一番の恋をする

「……なんか、先輩と一緒で鈍臭そうですね。その蛙」
「え、ちょっとっ、陸人くん!」


今度はいじわるそうな笑みを浮かべてそんなことを言い出す。
思わずちょっと言い返したりしてみる。
……あれ、待って。


「ど、どうして陸人くんが、私のことそんな、鈍臭いだなんて……」


そもそも私たちって初めてしゃべってからあんまり時間たってないし、陸人くんの前でヘマした覚えもないけどな。
すると陸人くんはいつもの無表情に戻り、あぐらをかいた。


「だって先輩、覚えてますか?四月の部活紹介」


ぶ、部活紹介……?
確かに陸人くんの言う通り、四月には新一年生のために体育館で部活紹介が行われている。
……あ。

一つ、心当たりがある。あるけど……。


「吹部の紹介のクラリネットのターンで先輩、盛大に楽器を体育館の床に落としてましたよね。すごい音がして。吹部ってやばい人がいるんだなーって思ってましたよ」
「あ、あれは、あの、記憶から消してほしいなー……」


まさか、陸人くんも見ていたなんて。いやそりゃ休みでもしない限りあの場にいないほうがおかしいけど。