君と一番の恋をする

「そもそも麻里花ちゃんって、彼氏ほしいの?」
「う〜ん、どうかな〜」


絵筆ちゃんが案の定話題を戻してきたので、私は逆らえずそう答える。しぶしぶみたいになっちゃったけど、この回答が適当なわけじゃない。
まーほみたいに恋愛にまったく興味がないわけじゃないし、うらやましい気持ちもあるけど、誰かと付き合っている自分が妙に現実味がないというか。

まあそもそも、私と付き合ってくれる、ましてや告白してくれる人なんてね。はは。


「……そっか。でも、それでもいいよね。人それぞれあるし」
「まあ、私は気楽にいくってことで」


お弁当箱の袋を左右に揺らす。……こんなふうに、いつまでもふらふらだって、いいよね。
だって、誰か一人に想いを捧げることって、すごく疲れるんだ。
それなら、今のままがいいよ。きっと。


職員室に用事のあるという絵筆ちゃんと途中で別れ、私は一人で自教室のある三階に上がる。