案の定、体当たりしてきた千歳がひょこっと顔をのぞかせる。


「えへ、着替えたー?」

「あっち行けよ……」


 俺がぼやくのを無視して、ジッとサークルパーカーのジッパーをおろした千歳が得意げに前を広げた。
 いつものストレートから三つ編みにまとめたらしい髪が跳ねる。
 

「オレンジにした。みてー」


 視界の端にオレンジ色がちらっと映る。


「あー、みたみた」


 テキトーに返事したとたん、はおっていたパーカーの袖をぐっと引かれた。


「わっ」

「全然みてないじゃん。ねー、かわいい?」

「あーうるさい、かわいくな……」


 そこで言葉を切る。目の前に入りこんできた千歳に違和感を感じて。

 ……コイツ、こんなにおっぱい……