◇  ◇  ◇


「わぁああ!!!」


 がばっと体を起こすと、いつも通りの俺の部屋。


「……ハァ、ハァ……ハァ」


 いや、いつも通りじゃなかったか、とのしかかる重さと熱を感じて思う。
 となりで……というより俺の上で寝ている千歳は、飛び起きた俺にかまわずスヤスヤ気持ちよさそうな顔をしている。
 ……ほんとムカつく。


「暑すぎんだろ……」


 カーテンのはしから外の光がほんのりと差しこんでいた。

 とりあえず目は覚めたし……。

 起きそうにはないけど、千歳を起こさないようにそーっと隣に移動させる。手から感じるさわり心地とか、くたっとした重さとか、ぜんぶ遮断してなんも考えないようにする。

 短いの履いてくるなよな……!

 最悪の目覚めと大仕事を終えてひと息ついた俺は、ベッドから這い出て部屋をあとにした。


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