◇  ◇  ◇


 ――やばい。

 こんなつもりじゃなかったのに。


「浅黄くんが寝るまでおしゃべりしてあげる♡」


 俺の部屋。ベッドの上。

 かろうじて完全に寝転がってはないけど、ベッドボードにもたれて(もたれさせられたんだよ……!)身じろぎひとつできない俺と、ぴったりと寄り添う千歳。


「もう眠くなったからっ! 帰れよ……っ!」


 家族に聞こえないように小声で怒鳴った。
 千歳は引きとめた瞬間から急にゴキゲンになって、「叩き起こしちゃってごめんね♡」とか言ってウチにあがりこんでこのザマ。おかげで聞きたかったことも聞けずにいる。