◇  ◇  ◇


 はっと目を覚ますと、真っ暗な自分の部屋。ベッドから上半身がはみ出た状態でほとんど落ちそうになっていた。
 なぜかエアコンのリモコンを握りしめていて、つけていたはずの冷房はとまっていた。部屋はすっかり蒸し風呂状態だ。
 さかさまになったままベッドサイドに手を伸ばしてコードごとスマホを引っ張る。画面をみると1時すぎ。

 え、さっき寝たばっかりなのに。寝苦しくて変な夢みちゃったのかな……。

 心臓がどきどきいってるのは暑さのせいだけじゃないと思う。
 手持ちぶさたにスマホを無意味にいじる。


『俺の知らないところで――……』


 ――……浅黄くん、もう寝ちゃったかな。