私は毎日果物を食べる。できれば旬のフレッシュなもの。冬から始まる幾種もの柑橘類に春の訪れを感じさせるいちご。それから初夏はさくらんぼ、夏の桃、ぶどうと続き、いちじく、和梨、洋梨、柿、りんごと選び放題の秋になったと思ったらまた柑橘類が出回り始める冬が訪れる。果物とともに季節の変化を楽しむ。これが一番幸せであるのは間違いないが、手ごろな値段で買える輸入物のオレンジやグレープフルーツ、キウイなども好きだ。たまにマンゴーやドラゴンフルーツ、ライチなどで冒険するのもいい。とにかく果物は切らさないようにしている。ないと困るのは人間のほうなのだから。
それでもスーパーマーケットに行って、納得のいく果物に出会えないこともある。気分なり、値段なり、品質なり、どうしても手に取ることができないときがある。
そういうときはバナナに感謝する。
いつもほとんど同じ、それも手に取りやすいお値段で、ほとんど絶対ハズレがない。スーパーマーケットに行っていい果物に出会えなかったと落ち込んで帰ってきた後も、家から一番近いドラッグストアでも買うことができる。とりあえず買っておいて、新鮮なうちに食べたい機会が訪れなかったとしても、ペーストにして冷凍しておけばいつでもケーキに加工できる。
だからバナナには本当に感謝している。バナナを作って下さる方にも、届けて下さる方にも、販売してくださる方にも。
そしてそんなバナナに、本当は一番あなたが好きだと言えたらいいのだけど。