夜を照らす月影のように#9

リオンさん曰く、私たちと合流しようと町を歩いていたらオズワルドさんと会って、そのまま先生とともにどこかへと消えていった……らしい。

「……リオン、ノワールは今どこにいるのかな……僕らに、助けられるんだろうか」

大分呼吸が落ち着いてきたメルさんが、弱々しい声で話す。

「……助けに行くよ。例え、俺らの方が弱くても。ノワールは、俺の……いや、俺らの家族だから。最初から諦めていたら駄目だよ」

メルさんの肩をポンと叩いて、レオンさんは微笑んだ。

「……そう、だよね」

「……皆さん。ノワールさんを助けに行きましょう」

「おう。ついでに、オズワルドをぶっ飛ばそうぜ」

「私も、先生を助けたいです!」

私たちがそう言えば、ようやくメルさんは顔を上げる。

「……ありがとう。ノワールを、助けに行こう!」

そう言って、メルさんは立ち上がるといつもの笑みを見せた。



「ノワール!」

先生がいたのは、どこかの学校の校庭だった。メルさん曰く、ここは先生とメルさんが前世で通っていた小学校だという。

「ようやく来たか……」

倒れている先生の近くにいるのは、オズワルドさん。魔法警察で、私たちを本の中に閉じ込めて、物の怪に襲わせていた犯人。