そっから、私と、コメントくれた青原きよさん
[Kiyo Aohara]はコメントでいろいろなことを話した。

のの(私)「ありがとうございます。友達以外からコメントが来るのははじめてだったので嬉しかったです。」

kiyo『いえいえ、こちらこそいい作品を読ま せていただき、ありがとうごさいました。』

のの「kiyoさんは、普段どのような小説を書 いているのですか?」

kiyo『短編やホラー系ですかね。』

やっぱりいいなぁー。

自分の小説、読んでくれる人、あんまりいないし……。




「―――。でね、そのkiyoさんとね、同じ学校で、同じ学年だったんだよ!」

【えー!すご!いいなぁーののぉー。】

『おーい!颯介!放課後ゲームしない?』

〈ええよー!〉

クラスの中でも、うるさいグループにいる、清原くんと森川くんだ。

噂では、森川くんは彼女もちだそうだ。

【ほんとに猿みたいな奴らだなぁー。】

「ふふっ。まぁそうかもね。」




kiyo『同い年なんだしさ、敬語はずさない?』

のの「わかったーいいよ!」

kiyo『ん。てか何組?俺、3組だけど。』

のの「え!?同じクラスだ……。」

kiyo『まじ?笑』

えっ!!

こんなことありえる?

同じ学校で同じ学年、そして同じクラス!?

はぁ、奇跡もあるものですなぁー。



え〜?

誰なんだろうな〜。

「俺」って言ってたから、男子ってことだよね?

でもクラスにはきよって人いないしー。

「ねぇー!誰だと思う?」

【え〜?うちはそのへんの陰キャ男子だと思うけど……。】

「そう?」

【うん。まぁ、その人がホントのこと言ってるかわかんないけどね。】

「まぁそうだけど……。」



私は今、自分の部屋のベットで小説アプリをしていた。

私はkiyoさんの正体を考えながらも、メッセージをかえしていた。

でもkiyoさんとメッセージをするたびに、思うことがあった。

私、なんかkiyoさんとメッセージをするの楽しんじゃってない?



私はそのことを包み隠さず、桜綾に教えた。

【そっかそっかぁー!ののはkiyoって人と付き合いたいとか思う?】

「え?いや付き合いたいとかまではいかないかな〜」

【じゃあ友達になりたい?】

「まあなってはみたいかも!」

【そっか!まあいろいろがんば!】



はぁー、やっとホームルームが終わった!

よし、今日は桜綾とどこかに行こうかな。

『あの〜。春田さん。ごめん、ちょっと時間ない?』

「え?清原くん?時間大丈夫だよ。」

『そっか。じゃあちょっとついてきて。』

私にうんとも言わせず、清原くんは歩き始めてしまった。

「ののー!靴箱で待っとくね。」

ニヤニヤしている桜綾をちらっと見たあと、私は清原くんについて行った。



清原くんは、ひとけのない校舎裏につくと、こっちを向いてきた。

『えっとー。―――春田さん、ずっと好きでした。もし良ければ俺と付き合ってくれませんか?』

「えっ!」

『ちょっと、春田さん、声……』

「あ、ごめん。」

『俺、前から春田さんのこと好きだったんだ。』

「…………。そうだったんだ。その気持ちは嬉しいよ。」

人生はじめての告白だ……!

こんなの嬉しくないわけがない……。

『うん。春田さんってさ、優しいよね。そういう誰にでも優しくできるとこ尊敬する。』

「え?」

『春田さん、いつも褒めてくれたり、慰めてくれたりしたよね?』

そんなことした覚えない……。

「そんなこと、したことないよ?」

『え?もしかしてわかってない?』

「ん?え?なにが?」

私が考えていると、碧くんはニコッと笑って、
こんなことを言った。

『俺、kiyoだよ。』

「え?」

『俺、清原碧でしょ?で、青原きよでしょ?清とあおを入れ替えたんだよ?』

「あ……!」

『意外っしょ?』

「うん。え?私のことはわかってたの?」

『うん。話してる時に気づいた。ののでしょ?』

「うん。わかってたんだ……。えっと、付き合うか決めるの、ちょこっと時間貰ってもいい?」

『うん。いいよ。ありがとね。』

正直、kiyoさんが碧くんだったのは意外だったな。

てか、碧くん、小説書くんだ!

なんか、『小説とか全く読まんし。マンガは読むけど』みたいな感じなのに。



次の朝、私は桜綾に質問攻撃された。

昨日は、kiyoさんと碧くんのことを考えてて、ろくに話したりできなかったのだ。

【―――で、どうだったの?のの】

「ちょっと考えさせてって言った。」

【そっか。まあ悪いやつではないから大丈夫だよ!】

「うん。ありがとう!」