「正直ムカつかない?」
そんな、天音ちゃんの声で我に帰った。
「え?」
思わず声に出て、手で口を塞ぐ。
「わかる!なんかうざいよねー?
自分が最後の大会だから、
張り切ってる感じ?超ムカつく!」
その声は、天音ちゃんと仲良くしている、
古賀 魅音(こが みおん)ちゃんの声だった。
「私らは別にーって感じなのにさ、
1人だけ張り切っちゃてる感じが痛い」
聞きたくなかった。でも、足は動いて
くれなかった。
「それにしては、天音。部長と仲良くしてるじゃん」
「いつか利用できるかもじゃん。
部長だしさー」
「ウケるんですけどー」
「ぶっちゃけ、怪我したのもざまぁみろって感じー」
「わかる。てか、天音聞いて。
部長の怪我って、誰かに突き落とされた
らしいよ」
「やば!でも、突き落とした人ありがとう
って、ちょっと思っちゃう」
聞きたくなかった。
よく考えれば、天音ちゃんは、私の名前を
呼んだことはなかった。
いつも、部長と呼んでいた。
天音ちゃんだけじゃない。
他の部員も、私を名前で呼んだことはない。
知りたくなかったから、考えなかった。
他の部活の部長は、親しみを込めて、
名前で呼ばれていることを、
知っているのに知らないふりをした。
そんな、天音ちゃんの声で我に帰った。
「え?」
思わず声に出て、手で口を塞ぐ。
「わかる!なんかうざいよねー?
自分が最後の大会だから、
張り切ってる感じ?超ムカつく!」
その声は、天音ちゃんと仲良くしている、
古賀 魅音(こが みおん)ちゃんの声だった。
「私らは別にーって感じなのにさ、
1人だけ張り切っちゃてる感じが痛い」
聞きたくなかった。でも、足は動いて
くれなかった。
「それにしては、天音。部長と仲良くしてるじゃん」
「いつか利用できるかもじゃん。
部長だしさー」
「ウケるんですけどー」
「ぶっちゃけ、怪我したのもざまぁみろって感じー」
「わかる。てか、天音聞いて。
部長の怪我って、誰かに突き落とされた
らしいよ」
「やば!でも、突き落とした人ありがとう
って、ちょっと思っちゃう」
聞きたくなかった。
よく考えれば、天音ちゃんは、私の名前を
呼んだことはなかった。
いつも、部長と呼んでいた。
天音ちゃんだけじゃない。
他の部員も、私を名前で呼んだことはない。
知りたくなかったから、考えなかった。
他の部活の部長は、親しみを込めて、
名前で呼ばれていることを、
知っているのに知らないふりをした。



