あの夏の君

『麗ちゃんへ』

勝手にいなくなってごめんね。
直接いえないのは悲しいけど、
僕は、人間じゃないんだ。
大きくまとめれば、僕は、海なんだよね。
海というか、なんというか、
海の精霊?みたいな感じ。
僕たちは、18歳の夏に外に出て、
いろいろ、学びに行かなくちゃいけないの。
外に出た時に、最初に会ったのが、
麗ちゃんなんだよ。
外の世界に出たら、女の子が海に向かって
叫んでるんだもん。
びっくりしちゃった。
夏が終わるから、もう帰らなくちゃ
いけないんだよね。
麗ちゃんが
「海が好き」
って言ってくれたの嬉しかった。
僕も、麗ちゃんのこと大好きだよ。
あの海の小瓶のこと、僕だと思って、
大事にしてね。
僕のこと、忘れないでね。