その日は少し肌寒かった。

「夏、もう終わりそうだなー」

いつもの流木に座って、海を眺めながら
そう言った。

「碧、遅いなー」

特に時間を決めているわけではないけど、
なんとなくこの時間だよねっていうのが、
私たちの中であった。
でも、今日は遅すぎた。
1時間たっても、2時間たっても、
一向に来る気配がない。
嫌な予感がして、私は走り出した。