それからは、毎日のように遊んだ。
高校3年間の中で1番楽しい、夏だった。

「碧、また明日ね」

毎日そう言って、帰っていた。
今日は少し様子がおかしかった。

「大丈夫?」

「うん。大丈夫だよ。バイバイ」

いつもと同じように、また明日と言わない
ことに、少しだけ違和感を持った。
でも、そんなに気にしなかった。

思えばこの時に、引き止めていれば、
あんな事にはならなかったのかもしれない。