放課後はキミと。


心臓の音が鳴りやまない。
それでもあたしは、涼村くんから目を離さなかった。

あたしの言葉に涼村くんは目を見開けて固まってしまっていた。
その表情に少しだけあたしは安堵する。

嫌な顔されなくてよかったって。
迷惑に思われてないだけでほっとする。

あたしは告白した勢いのまま、気持ちを吐露するように口を開けた。

「好きです。涼村くんが、すごく好き。優しいとこも努力家のところも頼りがいのあるとこも、どうしようもなく、全部好き」
言葉にすればするほど、急上昇する熱と恥ずかしさでどうにかなっちゃいそうだった。
でも黙ってしまえば、もうこの気持ちを言えなくなると思った。
そう考えると、伝えたい気持ちがありすぎて、ただただ言葉を紡いだ。
「涼村くんがあたしのことを尊敬するっていってくれて嬉しかった、泣いていいよって胸貸してくれて嬉しかった、美術苦手なのに猫かいててくれて嬉しかった……好きになれて、嬉しかった」
下唇を噛んで、ぎゅっと目を瞑った。
感情が高ぶって目頭が熱くなって、止めることもできずはらはらと雫が落ちた。
「涼村くんが、佳耶さんのこと、すきでも、この気持ち、忘れることなんてできないよ」
ぐいっと涙を拭ったあたしの耳に届いたのは、「は?」という間が抜けたような涼村くんの声だった。

……は?
今、は?ていった? あの人。

「ちょっと待って。何の話?」

……なんの、はなし?
え、今、何の話をしてるかあたしにいわせる?

「いちおう、こくはく、してるんですけど……」
ぼそぼそと呟くと、いや、そうじゃなくて。と動揺したような声。

「俺が佳耶のこと好きっていうの、どこ情報?」

どこ情報って……。

「あたし?」
「は?」
「キス、してたから。日曜。公園で」
その日の残像が頭を過ぎって、思わず顔を背けてしまう。

あー…あれ、見てたのか。と涼村くんがつぶやいて、その言葉に胸が抉られるような衝撃を受ける。

知ってたのに。
肯定されたら、それが本当に涼村くんだったと思い知らされて苦しくなる。