放課後はキミと。



「1ヶ月間、ほんとにありがとう」
頭を下げたあたしに、
「あんたの努力の成果だろ」
そうそっけなく涼村くんは言い放つ。
「ううん。涼村くんがスパルタだったから。涼村くんが、あたしを見捨てないでいてくれたから」
「どうした急に」
困ったようにあたしを見る涼村くんに、あたしは更に言葉を重ねた。
「時間使って、教えてくれて。テスト作って、ポイントまでまとめてきてくれて。涼村くんがいなかったら、あたしはきっと留年だったと思う」
「大袈裟だな。俺は、先生受けのためにちょっと勉強みただけだよ」
「うん。でもほんとうに、ありがとう」
「もういいよ」
素直にお礼を言われると困惑するのか涼村くんは顔を横に背けてそういった。

「それと、ね」
唇をなめて、唾を飲み込む。

涼村くんの視線が戻ってきて、その瞳にあたしが映る。

「もうひとつ、いいたいことがあって⋯⋯」

どきん どきん
心臓が耳の横にあるみたいにうるさい。
血液が沸騰したかのように身体が熱い。

「うん」
真剣なあたしに気付いたのか居住まいを正して、ちゃんと聞く姿勢をとってくれる。


こういうところも好きで。
どうしようもなく、好きで。

この気持ちを抑える術を、もうあたしは知らない。


「私、涼村くんのことが」

一拍呼吸を置いて、涼村くんをきちんとまっすぐ見つめた。

「すき、です」

その後に訪れたのは、静寂だった。