放課後はキミと。


ずきん

ずきん

わかっていたことなのに、心臓は痛み続ける。
頭の中はじわじわと醜いものが侵食して。
あたしの心は、もう、壊れかけ。

あたしの中で、涼村くんは特別。

じゃあ涼村くんの中で、あたしはなんだったのかな?


自販機でペットボトルの緑茶を買って。
教室に戻れないあたしは、そのまま前に行った屋上手前の階段まで来た。

階段に座って、壁に身体を半分預ける。

目を閉じれば、あの時の涼村くんの温もりが、心臓の音が、蘇る。

そして次に思い浮かぶのは、この一ヶ月の出来事。
人生で一番、ジェットコースターみたいな日々だった。
信じられないほど濃くて心が揺り動かされた。


……あの日、ここで、恋を自覚した。

あのとき、涼村くんの胸の中で。

好きだと、気付いた。
いつのまにか、自分でも驚くほどこの想いは、強くなっていて。

でもこの想いは成就しないことを知った。
あの日の公園で。

あっけなかったなあ、あたしの恋。

視界は、ぐにゃりと歪んだ。


「……ばっかだなあ」
ぽそっとつぶやいて、ペットボトルを目に当てた。
それでも、涙はたまらなく溢れた。

「ふっ、うっ」

あの時は、涼村くんの優しさが心をいっぱいにして、温もりがあたしを包み込んでくれた。

でも今は、ペットボトルの冷たさが目の熱を下げて、無機質な壁の冷たさを感じるだけ。


この場所で自覚した恋。


この場所でさよならしよう。


そうして、涼村くんがいない生活に戻るんだ。