放課後はキミと。


「どうかしたの? りん」
唯一のお昼の癒しタイムすら、悶々と悩んでいたあたしに、紗世が気づいて聞いてくる。
「なんか元気なくない? またなんかいわれた?」
紗世にこそっと耳打ちされて、あ、違うのと手を振った。
「なんかぜんぜんいわれなくなったから大丈夫! 涼村くん様様って感じ」
紗世にはあの後問い詰められて、付き合ってるフリをしていることは伝えていた。
「こないだのめっちゃ怖かったからね。涼村くんに嫌われる勇気が女子はもてなくて、男子も涼村くん敵に回したら女子にも嫌われるから手だせなくなったし」

そうなのだ。
あれ以来、本当にいじめのようなこともなくなったし、変なこともコソコソいわれない。

どちらかというと、え?あれが涼村くんの彼女?というような不思議な目をされるくらいだ。

「じゃあテストが心配なの?」

あ、そっか。
テスト、来週だった。
つまりそれは補習の終わりで、そして接点がなくなるということ。

唐突に思い当たった現実は、この心をさらに落ち込ませた。


もう、噂もないしとりあえず別れたことにしとく?

いつ、涼村くんがそんなことをいいだすのか、わからないんだ。
そしてそういわれたとき、あたしが断る理由はない。
ただのクラスメイトに、戻ってしまう。


やばい。このままではネガティブの沼にとらわれてしまう。


「りん?」
「今日さー、どっかいかない?」
突然話題を変換したが、その真意を紗世は汲み取ってくれたようで。
「いいよ」
あっさりとそう返事をくれると、別の話題に変えてくれた。


紗世のこーゆう細やかなところが、すごく好きだ。