「りんはさ、私と最初に話したのいつか覚えてる?」
突然話が飛んで、あたしは一瞬ついていけなくなる。
「え? 中学で席が前後になったときだよね?」
小学校は違ったので紗世とは初対面だったけど、一年生で席が前後になって。
なんとなく毎日言葉を交わしてたら、一緒に行動するようになった。
それからずっと一緒だ。
「そう。あのときさー、私ハブられてたんだよね」
「⋯⋯え?」
思ってもいない話の展開に、あたしは言葉を失った。
「小学校最後の方ハブられててそれの延長みたいな? 同じ小学校の子は話しかけてこないし、中学もダメかもと思ったら、りんが話しかけてくれてさ、私、すっごくうれしかった」
「そんな話はじめてきいた⋯⋯」
「私も怖くて聞けなかった。知ったら離れちゃうんじゃないかって」
つまり、紗世も今のあたしのようなことを考えていたということなんだろう。
「幸い、主犯格の子が違うクラスだったからか、中学はハブられなかったんだけどね」
明るく話す紗世は、そうなるまでどのくらい時間がかかったのか。
「だからね、私、りんのこと一人にしないよ」
あたしの不安を的中させたその一言に、あたしは胸が締め付けられて、涙が1粒落ちた。
紗世はあたしが電話した理由がわかったんだ。
自分が経験をしたことがあるから、安心できる言葉をくれたんだ。
「だーかーらー余計なこと考えなくていいから」
涙で視界が滲んだあたしに、あくまで紗世は明るくそう言った。
「⋯⋯ありがとう。紗世がそばにいてくれて、本当に嬉しい」
泣いているのを悟られないように祈りながらお礼を言ったあたしに、気づいてるのか気づいてないのか。
「これで私が男だったら恋が始まるのにねー」
なんて紗世は照れ隠しなのかそんなことをいっていた。



