「……なに?」
目が合っても何も話さない時間が流れて気まずくなってきたので、涼村くんに聞いてみる。
涼村くんは小さく、笑った。
初めて見る優しい笑顔、だった。
――――!!
え、何その顔!!
「あんたってさ、基本素直だよね」
「褒めてるんですかそれ」
「褒めてる褒めてる。あまり俺の周りにはいないタイプだし」
……そうですか。
まあ、あんな周りに目がハートな女子ばっかりいたらこんなタイプいないでしょうね。
「俺の周りの女子、基本的に媚しかうらないんだよね」
それは言外に俺はモテるとおっしゃってるのでしょうか。
「あんまり自分から話しかけにいくタイプでもないしさー。だから、新鮮なんだよね。あんたみたいなタイプ」
「はあ、そうですか」
「うん」
……涼村くんはあたしにそれをいってどうしてほしかったのだろう?
会話の意図がつかめず、ただただその端正な顔を眺める。
「仮面被ってる女子と話すの、つかれんだよね」
……仮面?
「猫かぶってるってこと。俺に合わせようって姿勢がみえて逆にしんどい」
涼村くんは不思議そうなあたしをみて、小さく笑ったまま解説してくれる。
「そうですか」
「その点、あんた楽。猫かぶってないし、わかりやすい」
……これは、なんなんでしょう。
愚痴られてる?
「モテてると自慢したいようにも聞こえるけど」
「俺のこと外見で見てるやつに好かれても、うれしくねーよ」
あっさりと敵を作るような発言を言い放つ涼村くん。
……たしかに、内面も知らないのに告白されても困る、か?
それでもされたことないあたしからすれば、うれしいと思うけどね。
「タイヘンナンダネ」
「全然心こもってないぞ」
どうでもよかったので棒読みでいうと、ぶすっとした答えが返って来た。
バレテシマッタ。
だってそんな常人には理解できない悩み、なんて答えたらいいかわからないんだもん。



