自殺教室

これで千秋が泣き崩れたりしていれば、まだ一浩の心はスカッとしていたはずだった。
でも千秋はそんなことはしなかった。

もしかしたら、誰かに相談することで今度はその相談相手がイジメられるかもしれないと、懸念していたのかもしれない。
そんな千秋にさらなるいらだちを覚えた一浩の行動はどんどんエスカレートしていく。

千秋がトイレに立ったすきに教室後方の千秋のロッカーを勝手に開けて体操着を切り裂いた。
体育館シューズは踏みつけてゴミ箱に捨てた。

その様子を何人かのクラスメートたちが見ていたけれど、誰もなにも言わなかった。
苛立っている一浩が怖かったし、なにより千秋に助けを求められていないことが大きかった。

千秋は強い人だという認識が、クラスメートたちの感情を麻痺させてしまっていた。