自殺教室

ラクガキされていないだろうかと不安が膨らむ。
自分の席に近づいたときに視線だけで確認すると、そちらも無傷なことがわかってようやく席に座ることができた。

前は教室に入れば数人のクラスメートたちが必ず挨拶をしてくれたけれど、今はそんなこともなくなった。
千秋は無言で自分の席につくだけだ。

それからホームルームが開始されるまでは教室で透明人間としてそこに座っている。
もしくは女子トイレで時間をつぶす。

それ以外にやることもなくなってしまった。
友人同士のおしゃべりはもう何日もしていない。

教科書を取り出して読んでいようと考えたとき、教室前方のドアが開いた。
そこから入ってきた一浩の姿を見て千秋の体温がスッと下がる。

できるだけ視線を合わさないように教科書に目を移した。
心臓はさっきまでよりも早鐘を打っていて、呼吸も荒くなってくる。