「…あ、あのっ!」
おっと、いけないいけない。
つい、わたしたちの世界に入り込んでしまっていた。
声をかけてくれるまで彼女の存在を忘れていたよ。
「あのっ、助けてくれてありがとうございました」
彼女はペコリと頭を下げる。
ふわふわなウエーブの髪が揺れて、あま~い匂いがわたしの鼻孔をくすぐった。
なんの香りだろ。
お菓子みたいに甘くて美味しそうな匂い。
「あの、えっと、わ、私、加代 萌々子(かしろ ももこ)って言います」
へえ、加代…かしろ…かし……菓子………。
ピンポンとわたしの中でなぜか納得する答えが出た。
この子は“かしろ”だからお菓子みたいなあま~い匂いがするのか。
なるほどなるほど。



