Moonlight−月光−


「ケガとかしてないか?」



本当は左足首が痛いけど、歩けないわけじゃないし。


家帰ってすぐに手当すればすぐに完治するはず。




阿斗は一番にわたしの心配をしてくれる。


そんなのこの世界で阿斗くらいだよ。



でも、阿斗は優しい人だから。



きっと誰にでも心配して寄り添ってあげると思う。




…阿斗には心配をかけたくない。




「全然大丈夫だよ」



笑顔を作る。


わたしの得意な笑顔を。




ほんとかよと疑り深い顔で見てくる阿斗。



ほんとに大丈夫なんだけどな。




…それに、あの家で暮らしていくためには、そんな弱々しくちゃやっていけない。



心も、身体も。